さいとう・たかを〜革新をもたらした劇画界の代表的人物〜

皆様、こんにちは。
〈観濠クルーズSakai堺のんびりクルーズガイド〉松永です。

今回は【さいとう・たかを】について~諸説あり〜

さいとう・たかを
劇画家
昭和十一年~令和三年(1936~2021)

劇画家さいとう・たかを(齊藤隆夫)先生が9月24日、お亡くなりになられました。
〈ゴルゴ13〉をはじめとする数々のヒット作品を生み出した、さいとう・たかを先生を偲びたいと思います。

5人兄弟の末子として和歌山県和歌山市に生まれ、小学校1年生の2学期に大阪府堺市の福泉(現在の堺市西区山田)に移り住み、母親が女手一つで5人を育てながら理髪店を営んでいたといわれています。
絵を描くことと映画を見ることが好きで、お小遣いが貯まると鳳や堺東にあった映画館へ通いながら、実家の理髪店を手伝いました。
福泉中学校を卒業後は、理容師になるため理容学校で知識や技術を身に付け、姉と実家の理髪店を継ぎ、繁盛したといわれています。
しかし、「絵を描きたい」という気持ちが膨らんでいき、母親から1年間の猶予を許してもらい、朝から夜まで実家の理髪店で働きながら夜中に漫画を描くという生活を続けました。
そして1年後、〈空気男爵〉を完成させ大阪の貸本出版社日の丸文庫に持ち込みました。
ところが、日の丸文庫の社長に等倍の紙に漫画を描いたことを指摘され、更に1年かけて描き直し、1年後に漫画家デビューが決定します。
それ以降、看板漫画家として単行本を次々と発表し、専念するため実家の理髪店を辞めたいと母親に打ち明けました。
すると、「絵を描いて食べていけるわけがない」と母親は激怒してしまい、漫画を嫌うようになりました。
漫画家になることを認めてもらえないまま、まもなくして上京し、漫画仲間との「劇画工房」結成を経て、さいとう・プロダクションを設立しました。
そして、「漫画は一人で描く」という常識を覆し、インターネットがない時代に莫大な資料に基づいて人物・背景・乗り物・武器など得意の分野を描き、その優れた才能を持ち寄ることで優れた作品にするという分業制の態勢を確立しました。
いわば、ライバルをパートナーにするという分業制は、革新をもたらした瞬間でした。
それから、現在の堺市西区山田にあった山田温泉という割烹旅館をモデルにして描いた2冊目の単行本〈幽霊館〉、〈鬼平犯科帳〉、国籍・年齢・本名が全て不明の超一流スナイパーの活躍を描いた〈ゴルゴ13〉、〈台風五郎〉ほか、多くの作品が誕生し時代を超えて愛され続けてきました。
中でも、主人公の名前を福泉中学校の担任の先生の名前から由来したといわれている代表作〈ゴルゴ13〉は、昭和43年(1968)より連載が開始し現在も連載中の長寿漫画として単行本の刊行数が世界一となる201巻、令和3年(2021)3月には累計発行部数が3億部を突破、同年7月には「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」としてギネス世界記録に認定されました。
徹底したリアリティーで人間を描くからこそ、「その正義とやらはお前たちだけの正義じゃないのか?」や「10%の才能と20%の努力、そして30%の臆病さ、残る40%は運だろうな」など、作品の中の多くの名言が心に刺さりました。
善悪を超越した主人公を生み出し、どんなときもどんなことがあっても大きな心で信念をぶらさず冷静に人間のリアリティーを描き続け、平成15年(2003)に紫綬褒章、平成22年(2010)に旭日小綬章ほか、多くの賞を受賞しました。

平成30年(2018)に連載50年を迎えた〈ゴルゴ13〉は、さいとう・たかを先生のご遺志のもと連載継続が発表されました。
「だが、物語は続く」これからも、いつまでも。

さいとう・たかを先生のご逝去を悼み、心から哀悼の意を表しますとともに、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

レッツ!トライ!【さいとう・たかをクイズ】コーナー
「私の作品が、個人的に思い入れある堺市に、少しでもお役に立てるならば幸いです。」と、平成24年(2012)より堺名誉大使を務めている堺市に協力し、新型コロナウイルス感染拡大防止の啓発ポスターが作成されました。
このポスターが作成された枚数は、次のうちどれでしょうか?
1、3,000部
2、6,000部
3、9,000部
正解は、、、次回のブログで発表しますので次回のブログも皆様ぜひチェックして下さいませ。

【 ザビエル公園と黄金の日々クイズ 】~正解発表~
令和三年(2021)7月16日のブログ[ザビエル公園と黄金の日々]で出題したクイズの正解は、、、「1、戎公園」です。
大阪で唯一の路面電車・阪堺電気軌道の花田口駅前にある緑溢れた公園です。

〈観濠クルーズSakai堺のんびりクルーズガイド〉松永

Filed under: 堺のお話,観光案内 — kc-sakai 12:00 PM
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