堺にゆかりのある二代目中村富十郎のはなし

前回「三味線」は堺の発祥であることと小唄の元祖「高三隆達」について触れましたので今回は歌舞伎について^_^
歌舞伎の人気が一般大衆に定着したころの1786年、大阪で中村富十郎が生まれました。子どものころから役者を始めて3代目中村歌右衛門に弟子入りします。メキメキと女形として実力、人気を兼ね備え上方、江戸の舞台に多く出演、2代目中村富十郎の名前を継ぎます。
常に大入り満員超人気者の中村富十郎は難波に当時住んでいましたので「難波の太夫」と呼ばれていたとか。
しかし天保の改革により状況が一変します。
幕府の決まりで役者は①家屋田畑を所有してはいけない②羽織袴を芝居以外では着てはいけないなどなど「贅沢禁止令」がありました。それに触れているとみなされます。要は役者ごときが贅沢するなという決まりだったようです。富十郎の難波の自宅は2600坪の豪邸で茶室が3つもあり使用人20名を抱えていたといいます。財産没収のうえ摂河泉三カ国追放(摂津、河内、和泉)となります。当時は島流しの次に厳しい処罰だったそうです。江戸の7代目市川團十郎も同じく江戸十里四方追放の処罰が下ります。それから中村富十郎は堺へやってきます。
堺は大和川の付け替え後なので和泉の国に位置していましたが堺奉行の支配下のため追放範囲に含まれませんでした。そして現在の南海堺駅南口から高架下をさらに南へ行ったあたりのところに住んでいました。富十郎は小間物屋を起業してたいそう繁盛したそうなのですが、周りの支援者から役者としての復活を熱望されて京都、伊勢、名古屋、江戸などへ巡業に出たりしました。その後、徳川家斉の死去によって市川團十郎は江戸十里四方追放を特赦されますが中村富十郎はゆるされないまま70歳で生涯を終えました。
現在、元住居跡は偶然にも大衆演劇の羅い舞座になっています。
ちょっと前に「利休にたずねよ」という映画がありました。武野紹鴎役に12代目市川團十郎さん、千利休役は市川海老蔵さんが親子で演じて評判になりました。
團十郎さんはそれが遺作になってしまいましたが来年は市川海老蔵が来年「13代目市川團十郎白猿襲名」の発表がありましたね^_^
昭和60年(1985年)、歌舞伎界が盛りあがる出来事がありました。それは当時市川海老蔵から12代目市川團十郎を襲名した時です。
團十郎の名跡が復活するのは約30年ぶりということもあり、その熱狂ぶりは襲名披露公演の劇場に勤めていた私(当時20歳)はよく覚えています^_^襲名披露公演で市川團十郎演じる「勧進帳」が豪快な荒事歌舞伎で、別の演目では六代目中村歌右衛門(人間国宝)が「沓手鳥孤城落月」で淀君の複雑な心境を和事歌舞伎ならではの表現をしていました。古い資料では1714年、4代目市川團十郎と初代中村歌右衛門が共演していた記録がありますので、この両者の組み合わせは300年の歴史があったんですね〜。
歌舞伎が興ったのは1600年ころ「かぶき踊り」が発祥と言われています。派手な格好をして常識を逸脱してる人間を傾き者(かぶきもの)と呼んでたようですが、彼らが茶屋遊びをするという行為をエロティックな表現で踊ったのがかぶき踊りだったようです。お茶屋を中心に拡がりそれから時間を経て発展して荒事、和事の歌舞伎が元禄時代(1688年~1704年)に確立しました。
荒事歌舞伎は幕府ができて全国からいろんな人々が集まって勢いがあった江戸で誕生しています。初代市川團十郎らが中心となって確立、メイクも衣装もド派手です。かたや和事歌舞伎はすでに商業の街が確立していた上方で、男女の関係や遊女との色恋といった艶っぽい演目が多かった。こちらは坂田藤十郎が中心となり確立したといわれています。
そのころから三都(大阪、京都、東京)をはじめ芝居小屋があちらこちらにできました。定芝居と宮地芝居という2種類の芝居小屋があって定芝居は常にある劇場、宮地芝居は公演巡業に都度つくられた劇場というイメージでしょうか。 堺にも大きなところでは1000名以上収容できた芝居小屋があったようです。

 

Filed under: 堺のお話,観光案内 — kc-sakai 1:12 AM  Comments (0)
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