『無縁社会 –無縁死3万2千人の衝撃-』 研修会に参加しました!
8月4日(水)、社協職員研修の一環として、「“無縁社会”を考える ~これからの地域福祉はどうあるべきか~」と題した兵庫県社協が主催の第49回社会福祉夏期大学に参加してきました。
今年の1月31日に放送されたNHKスペシャル『無縁社会 –無縁死3万2千人の衝撃-』のディレクター板垣 淑子さんを迎えて、縁が遠のく社会となりつつある時代における地域福祉の在り方について考える機会を持ちました。
板垣さんからは、「地縁」「血縁」「社縁」という日本社会を支えてきた縁の中で、「地縁」「社縁」の衰退はかねてより指摘されてきたが、「ワーキングプア」「派遣切り」などの言葉が出てくるようになってから、「血縁」の衰退も甚だしい。「血縁」の衰退は取材の中でも衝撃を受けたとの話がありました。
また、立命館大学の津止 正敏さんからは、現代社会は外部化・個人化した社会であること、そのことに起因する不調和に対応するのが地域福祉の使命ではないかという提言がなされました。
そして、パネル討議では、生活が外部化・個人化し無縁社会となりつつある中で、行われている3つの取り組みをお聞きし、孤立者を生み出さない包摂社会への道筋を探りました。
白浜レスキューネットワークの藤藪 庸一さんからは、三段壁での自殺志願者を支援する活動を、東京都板橋区にある大規模団地 高島平団地の再生に取り組む堀口 吉四孝さんからは、団地の中の居場所づくりの活動を、伊賀市社会福祉協議会の田辺 寿さんからは、日本社会の慣習としてある保証人制度に一石を投じる社協の取り組みについてのお話がありました。
縁が無くなったといいますが、現代の生活スタイルは積み重ねの中で選択してきたもので、悪いと一概にいえるものではないでしょう。新たな縁のある社会、縁の形をうまく構築していけるかが包摂社会を目指す上で必要なのでしょう。そんなことに私たち社協も力を発揮したい、そう思った1日でした。
この兵庫県社協が主催する社会福祉夏期大学、昭和36年の開催から49回目を迎え、毎年夏に開催されています。第1回は、社会福祉関係者には、馴染みの深い、故 岡村重夫先生。毎年、その世相を反映したテーマで開催されています。
P.S. NHKスペシャル『無縁社会 第2弾』が今年の年末に放送されるそうです。興味のある方はぜひ。
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