海外派遣活動報告(8月18日)
活動報告2日目です。
7:30に起床、朝食の後、荷物をまとめてバス乗車、本日講演をいただくモリーさんが準備をしていただいた施設に向かいます。
モリーさんはアボリジナルとして、人種差別や圧迫政策により略奪・破壊されてきたアボリジナルの文化について、その復旧や伝承についての公演活動を世界規模で展開されている方です。
多忙な方ですが、今回は私たちのスタディツアーに日程を合わせていただき、さらに講演の会場まで自ら準備をして迎えてくださいました。
12:00、昼食はハンバーガーでしたが、これがまた私たちに「これがオージーサイズだ!」と教えてくれるような特大サイズ!・・・最近の青年たちは小顔の子も多いので、何人かは顔が隠れるような感じでほおばっていました。(本人の拒否により写真の掲載は無しです)
昼食後はバララットの街を訪問し、ユーリカ砦の丘を見学しました。その当時の財産や人生すべてをかけてこの街にやってきた労働移民の息吹が聞こえてきそうでした。
▲「労働者結束の証」であるユーリカフラッグが掲揚されていました。
18:00 エチューカの街にやってきました。明日からはこの街を起点に活動を開始します。
本日は到着が夕方になっていたこともあり、外輪蒸気船で明日からの活動の場であるマレー河周辺を水上から見学をすることにしました。
どちらに流れているのかもわからないほど穏やかな川面を外輪蒸気船は静かに航行していきます。船内で夕食をいただき、それぞれがデッキに出たり、操舵室に入らせていただいたりしながら、思い思いの時間を過ごしました。
その後は宿舎であるクォリティイン・ポートオブエチューカに戻りミーティングの後、解散となりましたが、団員たちは後日の交流活動で披露するダンスパフォーマンスの練習を行っていたようです。
▲「季節の変わり目」を一日で経験したので若干風邪気味の人もいたようですが、それなりに「笑顔」です
明日からはこのエチューカを起点としながらアボリジナルのコミュニティー施設であるニュンダやクメラグンジャーリザーブを訪問し、アボリジナルの生活環境の現状と課題とその取り組みについて伺い、アボリジナル集団であるヨルタヨルタが自然環境の復旧・管理を務める「アボリジナルの聖地」を含むバルマ森林公園などを訪問します。
団員たちは初めてなので気づかなかったのですが、このエチューカでの活動中お世話になるバスのドライバーは昨年と同じアンソニーさんでした。これは現地(豪国内)の旅行社ですら、通常の観光旅行では行くことのないような施設が多いことなどを考慮して、少しでも現地の経験がある方が何かと都合がよいのではないかという、旅行社の計らいによるものでした。
《訪問地豆知識》
ニユンダ、クメラグンジャリザーブ、ヨルタ・ヨルタ
アボリジナルの方々は白人の入植時に「野蛮な原住民」として土地を奪われるだけでなく居所を追われ、白豪主義によってその存在も無きものにされようとした歴史があります。
その歴史の過程の中で、生活の糧や、就労や教育の機会も奪われてきた歴史があり、その環境は今もって改善されていない現実があります。
ヨルタ・ヨルタ
そのような生活環境の改善と奪われた土地の権利の回復のため、当地のアボリジナル集団であるヨルタ・ヨルタは周辺のアボリジナル集団とともに協力・結束し、政府などに対する権利回復運動とともに、アボリジナル集団の自立した生活環境改善のための活動を実施してきました。
ニユンダ、クメラグンジャリザーブ
その活動の拠点の一つがニユンダであり、権利回復運動の成果としてアボリジナルの集団居住コミュニティーとして獲得したのがクメラグンジャリザーブです。これらの地域には医療施設や保育施設の他、今だ改善されていないアボリジナルの就労支援や心療的なカウンセリングを実施しています。
いかがでしょうか。団員たちは明日からも「学びと交流」が続きます。《訪問地豆知識》は長ったらしい文章になっていますが、団員たちがどんな所でどんな事を学んでくるかを知っていただければ幸いです。
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