迷いの介護休暇(第17回) 松本敏子さん

~介護休暇がくれたもの~

一年間迷いに迷って、大きく揺れる振り子が止まった先の最良の結論だった。これだけあれこれ考え続け、時間をかけて結論を出すと少々何を言われても迷いがなくなることもわかった。

諸行無常。世の中全てのことは同じ状態は続かない。幸せなときは笑いながらも気を引き締めて。不幸なときは泣きながら少し先に視点をおいて。できうる限りは本人とその周りが望んでいることを優先して生きていきたい。人生半分は自分の思い通りにはならないけれど、半分は自分の努力でなんとかなると信じたい。

~祝復帰・御礼~

ほんとはもう少し早く高知へ帰って、高知の家をパーフェクトに片付けてから気分よく職場復帰するつもりだった。さまざまな予定が入り続け、結局ぎりぎりに堺からもどることになってしまいました。

3月25日に高知へ帰り、自分の復帰リハビリのつもりで、翌日から5日間ぶっ通しで学校のお掃除にかかる。印刷室、更衣室、消耗品棚、和室、休憩室、給湯室、パソコンラック、職員室、職員室周り、理科準備室、玄関、職員用靴箱、廊下・水槽まで、掃除と断捨離を敢行。

誰が片付けてないとか、そんな問題ではないのです。モトのところへ戻す余裕もない怒涛の行事日程がおかしいのです。卒業式の片付けも出来ないまま春休みを迎えなければならないスケジュールが悪いのです。業務時間内に成績表や要録をつける時間を確保せず、「授業時間は確保せよ」

「個人情報だから、自宅に持って帰って成績をつけるな」という無茶苦茶なことをいうシステムが悪いのです。8時間労働でこれだけの仕事ができるかどうか、あんたら、やってみなって。でも、そういう教育委員会が日付変わるまで働かされていることも知ってますけどね。 (つづく)

(ほーぷレター2014年2月号より)

~松本 敏子さん ご紹介~
ホープの利用者さまのお嬢さまです。高知在住。お母様はひとり暮らしで、介護サービスを利用中。松本さんは、1年間の介護休暇を終え、現在、仕事に復帰。

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「家族4人で19ヶ月間、世界一周」を果たして昨年12月に帰国された森本創さんが

「家族4人で19ヶ月間、世界一周」を果たして昨年12月に帰国された森本創さんが、旅の結びに、お子さん(6歳、4歳)たちに向けて、こう語っておられます。「……そして今後、目の前の問題に押しつぶされそうになるとき、視野を広げて例えば『カメルーンで会ったあのピグミーのおじさんは、今自分が悩んでいることの内容を説明しても理解できないだろうし、そんな種類の悩みがあることすら知らないだろう』と考えて楽になれれば、子どもたちはきっと幸せな人生を送れるだろうと思います。地球規模で己の存在の小ささをポジティブに実感しつつ、日本の限られた世界で奢ることなく絶望することなく、飄々(ひょうひょう)とご機嫌に生きて欲しいです。……」(https://www.facebook.com/morimotravel 2013年12年16日)

私はこれを読んで、ああ、とっても素敵だな、と思いました。
私たちは2月8日と9日、「第11回ワーカーズ・コレクティブ全国会議 in大阪」に出かけてきます。世界への扉は、あちこちに開いています。一人でも多くの人が、飄々とご機嫌に生きていけますように!(代表理事 中村義哉)

(ほーぷレター2014年2月号より)

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迷いの介護休暇(第16回) 松本敏子さん

~介護休暇がくれたもの~

本当に有意義な一年間だった。休暇を終える今、心底感じることができる。終わったわけではない。これからもまだまだ続く道ではあるけれど、母をサポートしてくれるシステムがしっかり整ったお陰で安心して職場復帰することができることに心から感謝している。

「一年間楽しかったね。なんかもう、いつ何があっても満足やね。」「娘のあんたとこんなにゆっくりいろいろ話したことは今までなかったね。」「『休暇取ったら』って言ってくれた義姉さんに感謝せんとあかんね。」「皆がいつでも優しく声をかけてくれて、本当に嬉しいと思うわ。嫌な思いしたことが一度も無いのがありがたいわ。」繰り返し繰り返し、母と同じ会話を交わしながら、増えた自分の荷物をまとめていく。

1年前はどうなるのか全く見えていなかった。1年後、母はまた独り暮らしができるまで快復してくれた。こんなに周りに甘えていいのかと思わないでもないけれど、お互い、今の生活を続けていけなくなるまで甘えさせてもらおうと決断した。(つづく)

(ほーぷレター2014年1月号より)

~松本 敏子さん ご紹介~
ホープの利用者さまのお嬢さまです。高知在住。お母様はひとり暮らしで、介護サービスを利用中。松本さんは、1年間の介護休暇を終え、現在、仕事に復帰。

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地域交流行事案内2014年


1月号

迷いの介護休暇(第15回) 松本敏子さん

介護休暇がくれたもの

初めて月給をもらったとき、こんな好きな仕事をして、給料をもらっていいのだろうかと感じた。「給料もらわなくても先生をやっていたい」と思っていた。今でも、私の周りにそんな若者はたくさんいる。しかし、そんな考えの人だったのに早々に教職を離れてしまった人もたくさんいる。教師だけが人生じゃないけれど、学校や教育現場がそういう状況であることがとても寂しくてならない。人間、がんばれる年齢と、もうがんばれない年齢があることもわかってきた。それはどうやらその人の生き方にかかっているらしい。

結婚をする時、母は「女は絶対に職を捨てるな」と言った。「お金がないと、しなくてもよい喧嘩をせねばならなくなる」と。恋で盲目だった当時は理解できなかったその言葉は、歳を経て、実感できるようになった。お金がなかったら喧嘩になっていたであろう場面に多く遭遇した。お金で解決できる余裕もありがたかった。

介護休暇に入ってすぐの春、半べそかいて訪ねて行ったら「悩んだときはいつでもおいでよ」と優しく言ってくれた喫茶店のマスター。「相談にはようのらんけど、話を聞くだけやったらいつでもするで」自分が悩みぬいた過去がなかったかのように、奥さんの横で笑ってくれた。

いつも電話やメールで励ましてくれた友人達、研究会仲間。近隣の人や親戚やディのスタッフの方達&一年間独り暮らしを満喫しきったダンナちゃん。一人で生きているのではないというのはこういうことなのかとドラマの主人公のように感じられた。 (つづく)

(ほーぷレター2013年11月号より)

~松本 敏子さん ご紹介~
ホープの利用者さまのお嬢さまです。高知在住。お母様はひとり暮らしで、介護サービスを利用中。松本さんは、1年間の介護休暇を終え、現在、仕事に復帰。

Filed under: ほーぷレター,迷いの介護休暇 — 55hope 10:37 AM  Comments (0)

先日、ほーぷサロンで開催した「ほーぷ秋祭り」、栂文化会館で開催した映画「ワーカーズ」自主上映会は、ともに多くの方のご協力とご参加を得て、無事終えることができました

先日、ほーぷサロンで開催した「ほーぷ秋祭り」、栂文化会館で開催した映画「ワーカーズ」自主上映会は、ともに多くの方のご協力とご参加を得て、無事終えることができました。皆さまお一人おひとりに、心より感謝申し上げます。
映画上映会の後の「おしゃべり会」で、「ワーカーズでは、普通の会社だったら、すごく料金が高くなるか、とても経済的に見合わないといって諦められるようなことでも、私たち自身が大事にしたいことに、多くの手間をかけることができる」「でも、組織としては、経済的に破たんせずに、継続していかねばならない」というコメントがあり、まさに日々、この二つの狭間でもがいている現実を共有できたことに、心強さも感じました。
「協同」の時代です。分断された個人は、とても弱いです。組織も、個人も、互いに情報、手間、お金を融通しあい、つながりあって、生きていかねばなりません。いま置かれた場所で、一歩前へ踏み出しましょう。(代表理事 中村義哉)

(ほーぷレター2013年12月号より)

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迷いの介護休暇(第14回) 松本敏子さん

介護休暇がくれたもの

まだみんなが職員室で仕事をしている時刻に夕食をとるのは心苦しかったが、勉強にも仕事にも追われない小学生の頃の感覚を思い出し。今日のトラブルをどう解決しよう、明日の授業をどう展開しようと思い悩まないでいい夜は平和だった。実家の不要なものを全て片付けてリフォームし、父の十三回忌をし、母と一年間通った病院も3月22日が最後になる。仕事を離れるとやりたいことが思う存分できると思っていた。今まで読みたくても読めずにいた本を高知から段ボール1箱分持ってきた。帰るときは読めずにたまった本が段ボール3箱分に増えていた。笑える。やろうと計画していた半分は頓挫した。「時間があったらやろう」と思っていることは、「時間があってもやらない」とわかった。制約がないということは、「好きなこと・したいことしかしたくない」のだとわかった。時間があると時間を無駄に使うこともわかった。決断に時間をかけすぎてしまうこともわかった。ストレスが無いということはまた、成長もないことだということもわかった。それでも、自分と自分の家族のために一日の時間を使えるのは幸せだった。「お金が無くても幸せ」というのは違うなと思った。お金があれば幸せとは限らないけれど、お金がなくては幸せにはなれないと感じた。たくさんはいらない。でも、暮らしていくにはお金は必要で、それを稼ぐためにはやはり働かねばならない。 (つづく)

(ほーぷレター2013年11月号より)

~松本 敏子さん ご紹介~
ホープの利用者さまのお嬢さまです。高知在住。お母様はひとり暮らしで、介護サービスを利用中。松本さんは、1年間の介護休暇を終え、現在、仕事に復帰。

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