海外派遣活動報告(8月21日①)
海外派遣活動もいよいよ終盤戦に入りました。
21日はシェパートンの街にむかい、青少年の教育とその後の就労にむけて取り組んでいる先住民族特別教育訓練施設ASHE(アッシュ)を訪問しました。
ここではスポーツなどをとおして健康や教育の改善、そしてその個人個人の個性・特性に合わせた職業訓練などにも取り組み、そこから経済的な安定や生活環境の改善に取り組んでいます。
ここに通う青年たちの多くは何らかの理由で学校に通えなくなった人たちが中心です。その理由は様々ですが、やはりアボリジナルであることを理由に校内で阻害されたなど周辺事由によるケースも少なからずあるというのも現実です。
▲教室に入る前に施設の概要をお聞きしました
普段は同胞同志が結束して活動を行っている中に突然の外国から青年一行の訪問です。授業中に急に現れた私たちに対し少しの緊張と戸惑いがあったようですが、次世代を担う青年として積極的な交流を行うことができました。
文化・芸術は世界共通の言葉です、ここでも「ソーラン節」を披露しましたが、ダンスよりも初めて見る「ハッピ」に興味が持たれたようです。やはり、独自の文化・伝統に誇りを持ち伝承していこうとする人たちの集まりだからこその反応ではないかとも思いました。
▲若者は元気、生徒さんの中には冬なのに「半袖」の人もいました。
また、授業の後には言葉が通じないにもかかわらず個々に会話が弾み、持参したけん玉やあちらの施設にある器具などでともに楽しい時間を過ごすことができました。
同時に生徒である青年だけでなく、スタッフの方やいろいろな方へのインタビューやアンケートにも挑戦しました。
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いよいよ今日は、エチューカでの活動の最終日です。もう一度バルマ森林公園に行き、国立公園としての森林公園をボートで見学します。
エコクルーズで森林公園の広大さを実感した後はメルボルンにもどります。メルボルンではクーリー文化遺産センターで、アボリジナル文化の保護・修復・伝承についてお話を伺います。
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《訪問地豆知識》
バルマ森林公園、エコクルーズ
森林公園の河川エリアは遊歩道やサイクリングロードがあり、キャンプ場もあります。そして高低差の少ないオーストラリアの大地を流れるこの周辺の川はどちらが上流かわからないくらいにゆったりと流れています。そのため、一度大雨が降ったりすると数か月にわたって川は氾濫し、陸地側からは奥へ入っていくことができなくなります。
エコクルーズといわれるこのボートによる見学は、そういった自然環境を学ぶために運行されており、キャプテンが操舵しながらその日の状況に合わせてガイドをしてくれます。またボートの形状が平底のため、穏やかな川面から浅瀬のブッシュの中にまで入っていくことができ、自然の鳥や動物の姿を見ることができ運が良ければ野生のコアラも見ることができます。今回はどのような発見ができるのか楽しみです。
クーリー文化遺産センター
クーリー文化とはアボリジナルの文化をいいます。ビクトリア州メルボルン周辺には40を超えるアボリジナルの集団が存在しますが、白人の入植後の迫害時代や近年まで続いた「白豪主義」によってその文化は略奪されたり破壊をされてきました。また、「白人化教育」という名のもとに行われた隔離施策によりその文化の伝承者もことごとく消滅していきました。
クーリー文化遺産センターでは周辺に残されたアボリジナル文化の収集と修復・保存に努めるとともに展示・公開をし種々の場へ出向いての講演などを行っています。また、それぞれの文化の伝承者の育成にも努めています。
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事務局から : いよいよ活動も終盤に入りました。今日までの活動はアボリジナルとしてその集団に暮らす方々の現状を学んできましたが、この後は故郷を離れ都会で暮らすアボリジナルの方々のお話を伺います。アボリジナルの方々にとって、「自分たちを育んでくれる大地」というのは私たちの「土地に対する概念」と大きく異なり重要な意味を持ちます。それ故にそこから離れて暮らすアボリジナルの方々にはまた違った思いがあるようです。そのこともしっかり学びながら残された日々を有意義に楽しく過ごしてほしいものです。
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