海外派遣活動報告(8月20日)
20日の活動報告が入りました。昨晩はどうも現地のインターネット環境が思わしくなかったようです。
20日は朝から、バルマ森林公園へ向かいました。
マレー河やキャンパスピ川を含む、水資源などの自然環境に恵まれた土地です。「乾燥した大地」と言われるオーストラリアではこういった水資源や森林が育つ地下水脈のあるところはとても貴重な存在です。白人入植者たちはこの森林に生えているユーカリやレッドカムという樹木を次から次へと伐採しました。これらの木には油分が多く含まれていて腐りにくいことから、線路の枕木に重宝されていたからでした。
その他にも海外から持ち込んだ牛の放牧などにより、森林は減少し、草原は食い尽くされ、大地は踏み固められるなど、やがてその自然環境は大きく破壊されてきた歴史があります。
この地域の先住民族集団ヨルタ・ヨルタの人たちは、「奪われた土地権の回復」だけでなく、自然環境の修復と保護、そしてその環境資源の維持管理の重要性を長年にわたりうったえ続けてきました。
そして現在は、国立公園化や保護区化が進み、この地域での経済活動が制限されることとなり、アボリジナルの方々がパークレンジャーとして公園の維持管理や開発に関する提言を行っています。
また、その活動の中で勝ち取ったのが、クメラグンジャーリザーブという居住地域の返還でもありました。こちらでも、アボリジナルの方の健康管理のための施設や教育支援、就労支援のための職業訓練施設、そしてアボリジナルの伝統文化の伝承に力を注いでいます。
私たちの訪問に際して私たちの移動時間の短縮のために、わざわざクメラグンジャーリザーブからバイニーモーガン診療所の施設長であるデニスさんが他のメンバーとともに、このバルマ森林公園にまで来ていただき、伝統ダンスや伝統的手芸作業を教えてくださりました。
▲今では特別な行事の時にしか行われないダンスを教えていただきました。
▲私たちもダンスでお礼をしました
▲井草のような植物を道具は使わずに手作業で編みこんでいきます。うまく作れたものは各人のお土産になる予定でしたが…
▼私たちの活動を見学しているご夫婦?がいました。
▼恥ずかしがり屋さんのようでカメラを向けると「飛ぶ」ように逃げていかはりました。
本日(21日)はエチューカの街から南東へ70㎞ほどのところにあるシェパートンの街に向かいます。
シェパートンではASHEという青少年の教育施設を訪問し、そこの生徒さんたちと交流活動を行います。同年代の青年との交流になりますのでいろいろな意見交換ができればと期待されています。
また、時間に余裕があれば近くにある競技場でともにスポーツに汗を流せればと思っています。
《訪問地豆知識》
シェパートン、ASHE
シェパートンの街にもアボリジナルの方の健康管理や就労支援などに取り組む施設がありますが、今回の訪問予定はASHE(Academy of Sport,Health and Education)という施設になります。
オーストラリアでも学校教育からドロップアウトしていく青少年はたくさんいますが、やはりその中でもアボリジナルの青少年は高い率を示しています。その理由は様々ですが、やはりごく最近まで行われていた隔離施策や人種的差別により、教育の機会を奪われてきたことや、そのことなどに起因する経済的事情によるものも多く存在するとのことでした。
ASHEではメルボルン大学と協力し、青少年に興味を持ちやすいスポーツや健康をテーマ(入り口)として個人個人に合わせた教育と、卒業後の進路にまでフォローをしているとこ所です。
特にオーストラリアではスポーツが盛んであり、その中でもサッカーとラグビーを混ぜたような「フッティー」という球技や、バスケットボールとポートボールを掛け合わせたような「ネットボール」という球技に人気があります。このことからスポーツを通じて、「教えられる教育」から「興味を持ち自ら学べる教育」に取り組んでいるのがASHEです。
その他に、このシェパートンの街には地元チームの公式競技場などもあり、スポーツに関しては熱いものがあります。
事務局からのお知らせ : スタディツアーも後半戦、今日まで学んだこと経験したことを整理しつつも、新たな学びに向かって活動は続きます。事務局では報告が入り次第順司ブログ更新させていただきますのでヨロシクお願いいたします。
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