インターユース堺・消防プロジェクト(2006~2008)について②
2006年から2008年にかけてインターユース堺が実施した国際貢献活動「住民組織による消防・防災体制づくりのモデルプラン作成事業」の2006年度の活動について紹介します。
2006年活動内容
ロングハウスの現状を把握するため、「ルマ・パンジン」(2006年当時の名称はルマ・ミット)と「ルマ・セリ」という2つの村を調査しました。日本の消防・防災体制について紹介し、住民の消防・防災意識を向上させるプログラムと訓練を実施しました。
(1) 2つの村の調査
「消防士による専門的な調査」「住民と団員による調査シートを使った調査」「住民からの聞き取り調査」を行いました。調査の結果、火災の主な原因として、タバコ、ガスコンロ、オイルランプの取り扱い方法に問題があることがわかりました。
(2) 住民の消防・防災意識を向上させるプログラム
住民に、火災の恐ろしさを今以上に理解してもらうために、ロングハウスの廊下で日本の火災に関するアニメーションや啓発ビデオをプロジェクターで上映しました。
(3) 避難訓練
「発見者が住民に大声や笛で知らせる」「安全な場所にすばやく避難する」「点呼する」など、私たちが初めにデモンストレーションを行い、その後住民とともに避難訓練を実施した。
(4) 集団での消火訓練・初期消火訓練
ロングハウスにおける有効な初期消火方法の調査として、バケツリレーと消火器を使った消火訓練を住民とともに実施しました。消火器は事前に町で購入し準備したものを使い、使い方の指導を行いました。多数の住民が実際に消火器を使って訓練をすることができました。
これらの活動通じて、2007年以降の活動の方向性が見えてきました。
私たちが訪問した村のひとつであるルマ・セリにはアジアボランティアセンター(AVC)の荒川さんや現地NGOのSociety of Christian Service(SCS)の活動により消防・防災の為の住民組織ができていました。しかし、2006年の段階では、住民組織として動き出しておらず、私たちインターユース堺がイバンの人々とともに考え、話し合い、住民がこの組織を自ら動かせるよう支援し(自立支援)、消防・防災の指導ができるリーダーを育成(人材の育成)することが重要であると判明した。
また、ルマ・セリ周辺には9つのロングハウスがあり、9つの村の村長が集まる会議なども行われて、地域の村は互いに深く繋がっています。2007年度以降は、ルマ・セリを消防プロジェクトの発信地にして、ここで育ったリーダーが、他の村に伝え、内容が地域に根付くことを最終的な目標として活動することが決まりました。
次回は2007年度の活動について紹介したいと思います。
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