新緑のまぶしい季節になりました

新緑のまぶしい季節になりました。この前まで丸裸だった木々が、今はもう青々と茂った葉っぱを風に揺らしている。「植物ってすごいですね。ちゃんとその時期になれば花が咲いて、葉っぱが出てきて、実がなって…黙っていてもわかるんですね。」とデイの送迎の車の中で、利用者さんとお話しました。人間も本来そうなのでしょうか?

今総会をもって、2007年から6年間務めさせていただいた代表理事を交代することになりました。多くの皆様に本当にお世話になりました。この紙面上で申し訳ないですが、心より御礼申し上げます。皆様の支えのお陰で、なんとか次にバトンを渡すことができます。それも私よりも若い世代にです。これは、6年間で唯一の私の功績といっていいかもしれませんね。代表を降りても、理事を降りても、在任中と変わらず同じ気持ちで、経営者の意識をもって会を全力で支える。交代することで、そういう人がどんどん増えていく…それが、私達ワーカーズの強みだと思います。

これから、次期代表がホープに引き寄せてくるであろう新しい出会いにわくわくしながら、また一緒に、前を向いて歩いていきたいと思っています。(代表理事 中島紀子)

(ほーぷレター2013年5月号より)

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「宅老所よりあい」を見学して(3) 中島紀子

棟続きのグループホームの方へ移り、大きな銀杏の木のある中庭に面した居間で、開業当初から代表の下村さんとともに運営に携わってきたスタッフである中島さんのお話を聞きました。

中島さんも、この後行った「第3宅老所 よりあいの森」で迎えてくれた若いスタッフ後藤さんも、口を揃えて言われたのは、宅老所よりあいの介護に対する考え方「介護の専門職として、お年寄りとその家族を支える」ということ。代表の下村さんの著書を読むとお年寄り一人一人、またその家族との関わり方の深さに圧倒されるのですが、私たち介護職は、決して立ち位置を間違ってはいけないと言われます。私たちは家族の代わりではないし、ボランティアでもないと。22年の実践の積み重ねの上に培われた理念が、スタッフの方、お一人お一人に浸透していることにとても感動しました。

考え方の共有の方法として、例えば会議はどのようにされているのかお聞きしました。デイの毎日の終礼の他に、月2回、夜に会議を行っているそうです。グループホームはまた別に行い、全体でも行う、利用者についている人は出られないが、その他のスタッフは全員出席とのこと。各スタッフ利用者担当があり、それぞれがケアの仕方についての提案をして話し合い、ケア方針を決めていくそうです。宅老所よりあいの主催するセミナーや勉強会もあり、毎日、24時間営業の日々の仕事をこなすことだけでも相当なエネルギーを使うでしょうに、それ以上の向上心を持ち続けているパワーの源はなんだろうと考え入りました。 (次号につづく)

(ほーぷレター2013年4月号より)

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迷いの介護休暇(第7回) 松本敏子さん

他の友人からのメールには連休に行われた東京での研究会の感想が添付されていた。

震災で大勢の人が死ぬ、大切な身内が病気や障害を持つ…など、それ自体はまったく「シメタ」ではない出来事を目の前にして、「どっちに転んでもシメタ」という言葉はいかなる意味を持つか?

そのキーワードは「偶然」と「あきらめ」と「再出発」。それらの悲しい出来事は、「偶然」我が身に降りかかったものであって、そこには神の意志も無ければ前世の因果も無い。無理に意味を見つけようとしたり、なんとか元に戻そうともがいたりしているうちは苦しみが続く。

しかし、それが自分にはどうしようもない「偶然」の出来事なら、起きてしまったことは「あきらめ」るよりほか仕方ない。「あきらめ」て受け入れて、さて、そこからどうするか?

そういう気持ちになって初めて、これまでとは違う景色が見えてくる。新しく何かが出来そうな気がしてくる。それが「再出発」。苦しむ時期を出来るだけ短く抑え、再び前向きに生きることが大事。「どっちに転んでもシメタ」というのは、不幸を無理に納得しようとするやせ我慢の言葉ではなく、「不幸な偶然はさっさとあきらめ、そこから再出発すれば人生は再び明るく開ける」という原理を示す言葉。

関わりようのないことはあきらめ、関わりようのあることだけを生きる。つまり、そのような再出発の人生そのものが、「シメタ」なのだともいえる。(つづく)

(ほーぷレター2013年4月号より)

~松本 敏子さん ご紹介~
ホープの利用者さまのお嬢さまです。高知在住。お母様はひとり暮らしで、介護サービスを利用中。松本さんは、1年間の介護休暇を終え、現在、仕事に復帰。

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ワーカー日誌(第34回) 廣田美代子

“人生いつだってこれから 朝はかならずやってくる”

テレビ番組の人生の楽園を毎週見ています。60才をすぎれば人生はあと少し。縁あって、ホープの仲間に入って1年たちました。仲間や利用者様に支えられて、今が最高の時といつも思いつつ、これからも新しいことに挑戦しながら、楽しいことを見つけていきます。

(ほーぷレター2013年4月号より)

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泉ヶ丘ホープは、2013年5月23日で設立15周年を迎えます。

泉ヶ丘ホープは、2013年5月23日で設立15周年を迎えます。

先月号で私が泉ヶ丘ホープに入った経緯を少し書きました。15年前、図書館でのワーカーズ募集説明会に参加した日から、ずっと生きづらさを抱えて生きてきたそれまでの自分が変わっていきました。殻を一枚ずつ破っていけたと思います。ワーカーズ・コレクティブという働き方は、過去を問われることはなく、メンバーは、常に運営のこと、仕事のこと、未来のことを話す仲間でした。

泉ヶ丘ホープでは、私は私にできることをしていればよかったし、真剣な討議の場に身を置くことがとても心地よく感じました。尊敬できる仲間の中に身を置き、運営に携わり、ワークで利用者様に接し、多くの研修や勉強会に参加し、イベントを皆で開催していくことで、私は自分の生き方に自信がもてるようになっていきました。

最近、会の中で回し読みしている本『協同で仕事をおこす』の中に、「協同労働は、他の人間の力や社会関係のあり方によって、人間のなかに潜在的にある自ら育つ力を引き出し、伸ばす働き方である」というくだりが出てきます。この15年で私はまさにそれを体感しました。

そういう、私を育ててくれたこの働き方とこの会を私は誇りに思っています。もっと多くの人に知っていただいて、ここを必要とする人たちと共に働き、これからも地域の方々の拠り所となれるサービスと場所を作り続けていきたいと思います。
(代表理事 中島紀子)

(ほーぷレター2013年4月号より)

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「宅老所よりあい」を見学して(2) 中島紀子

中に入ると、天井の高い真ん中の部屋に10名程のお年寄りがちゃぶ台を囲んで輪になって座っておられました。部屋の周りを縁が囲む回廊式の構造になっていて、縁をはさんで柔らかな光が入る日本式の建物の良さを感じさせます。お年寄りの間には、スタッフの方が2名程おられ、緑茶を入れておられました。

朝10時過ぎという時間帯でしたが、ほとんどの方がこっくりこっくり、うつらうつら、まどろんでおられる状態です。介護度でいうと要介護3~5という重度の方がほとんどということで、比較的お元気な方が多いほーぷのデイサービスとは雰囲気が違うなと思いました。それでもよくある病院や施設の雰囲気とは違うのは、このうつらうつらしながらの居姿がちゃんと存在感を示している感じがするのですね。

スタッフの方が、「代表の下村の趣味で・・・」と言われる年代物の骨董家具が配置された、昔ながらの日本の家に、介護の必要な方が過ごしやすい機能的な配慮がさりげなくされている空間の居心地の良さと、隅々まで行き届いているであろう、スタッフの方のお年寄りに対する質の高いケアがその支えになっているのでしょうか。この場所の主はこのお年寄りの方々であるという静かな主張を、ぽっと入って行ったよそ者の私たちにも感じさせるような、そういう空気がここにはあると思いました。 (次号につづく)

(ほーぷレター2013年3月号より)

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迷いの介護休暇(第6回)松本敏子さん

半月間、家の片付けと病院通いと、今まで滞っていた書類手続きやリフォーム工事の相談で明け暮れた。時間ができたら読もうと思い、箱一杯持って行った本や資料を手に取ることもできない日々だった。

母の未だなかなか動かない右手に加えて、足にも痛みが出てきた。5月の連休明けに母を堺に置いて高知へ帰る予定をしていた。当日まで迷った。迷いに迷った挙句、帰る選択をして、自分が我が家に帰ったとたん、20年間住み慣れた家のトイレのスイッチを迷った。

自分を笑い、母を笑えないと思った。人間の感覚の不思議を思った。同じことを続けているとそれに対応する力が勝り、年を経るにつれ、感覚が切り替わる力がなくなるのだなと。

1ヶ月も仕事をせず、家にいたなんて今までなかったことだ。でも、これからもずっと家にいる。休暇だから。介護休暇ってもっと楽しいものだと思っていた自分に苦笑した。

パソコンのメールを開けて、友人教師のトンデル3年生達との格闘の文章を読んだ。去年担任していた5年生とほぼ同じような行動を読むにつけ、去年のレポートを早くまとめたいと思うと同時に、格闘している元気な彼女の文章に元気をもらえた。元気な人と一緒にいると元気になれる。元気な気持ちに触れると元気になれる。(つづく)

(ほーぷレター2013年3月号より)

~松本 敏子さん ご紹介~
ホープの利用者さまのお嬢さまです。高知在住。お母様はひとり暮らしで、介護サービスを利用中。松本さんは、1年間の介護休暇を終え、現在、仕事に復帰。

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