「今後のナルク活動」を考える
はなタウン 事務局長 橋野 喜紀
ナルク本部の呼びかけで、6月3日(火)大阪市東成区民センターで 開催された、さわやか福祉財団主催の「これからの地域支援事業 を考えよう」のフォーラムに参加した。 厚生労働省の課長補佐による「介護保険法の改正」、堀田力氏 の「これからの地域支援のあり方」についての講演、ナルク高畑 会長はじめ数名による「新しい地域支援の仕組みと今後の展望」 をテーマにしたパネルディスカッションがあった。この内容は、 私たち「はなタウン」が今後、地域でどのような活動をしていく かについて、大きなヒントを与えてくれた。
□ 1 介護保険法改正の背景
「2025年問題」とよく言われるこの年は、団塊の世代が75歳になり、特に都市部で75歳以上の人が急速に増加する。同時に、高齢単身世帯、夫婦のみ世帯、認知症高齢者も大きく増える。このために介護、医療を中心に大きく増える福祉関係費用に充てる財源として、消費税が今年4月から8%になり、来年度からは10%への引き上げが検討されている。
□ 2 主な改正点
① 高齢者が住み慣れた地域で生活できるようにするための「地域包括ケアシステム」構築
② 全国一律の訪問介護、通所介護など予防給付を市
町村へ、多様化
③ 特別養護老人ホーム新規入所を、原則要介護3以上に
④ 低所得者の介護保険料軽減を拡充
⑤ 現在一律10%の利用者負担を一定以上所得のある人は自己負担引き上げ
□ 3 「地域包括ケアシステム」の構築について
2025年を目途に、住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最後まで続けられるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援が一体的に提供されるこのシステムを構築。
「地域包括ケアシステム」は概ね30分以内で必要なサービスが提供される日常生活圏(中学校区)を単位とする。このシステムは、行政や介護事業者にとどまらず、ボランティア、NPO、民間企業など様々な提供者が連携し、活動することを目指している。特に、元気な高齢者は、利用に回るだけでなく、生活支援の担い手として社会参加を求められている。
□ 4 「困ったときはお互い様」
★地域の助け合い★
堀田力氏は講演の中で「元気な高齢者の少しの手助けや声掛けで、地域の高齢者が孤立せず自立し尊厳のある生き方ができる社会、そんなコミュニティーの形成が目標」と話された。これは、まさに「ナルクの理念」そのものである。家事援助、外出介助、安否確認、高齢者の権利擁護など、我々ナルクが実施している「助け合い」の実践に他ならない。
□ 5 「はなタウン」の今後の活動
6月1日の「はなタウン第5回総会」で、「会員同士の関係を深め、助け合いをさらに充実させる」を第1目標に掲げた。その中で、ゴミ出し、電球取り替え、つくろい物など簡単な手助けをする「ナルクちょっとおてつだい券」(4枚1,000円)の発行、外出しにくい人のための「おしゃべり訪問隊」の派遣を実施すると約束した。
また、“生涯現役”実現のために、例会や研修会の充実をめざすこと、外出の機会を増やすこと、自立活動の参加者を増やすことを目標とした。同時に、私たちの地域が元気であるために、我々の趣旨に賛同してくれる仲間を増やそうと呼びかけた。