「宅老所よりあい」を見学して(3) 中島紀子

棟続きのグループホームの方へ移り、大きな銀杏の木のある中庭に面した居間で、開業当初から代表の下村さんとともに運営に携わってきたスタッフである中島さんのお話を聞きました。

中島さんも、この後行った「第3宅老所 よりあいの森」で迎えてくれた若いスタッフ後藤さんも、口を揃えて言われたのは、宅老所よりあいの介護に対する考え方「介護の専門職として、お年寄りとその家族を支える」ということ。代表の下村さんの著書を読むとお年寄り一人一人、またその家族との関わり方の深さに圧倒されるのですが、私たち介護職は、決して立ち位置を間違ってはいけないと言われます。私たちは家族の代わりではないし、ボランティアでもないと。22年の実践の積み重ねの上に培われた理念が、スタッフの方、お一人お一人に浸透していることにとても感動しました。

考え方の共有の方法として、例えば会議はどのようにされているのかお聞きしました。デイの毎日の終礼の他に、月2回、夜に会議を行っているそうです。グループホームはまた別に行い、全体でも行う、利用者についている人は出られないが、その他のスタッフは全員出席とのこと。各スタッフ利用者担当があり、それぞれがケアの仕方についての提案をして話し合い、ケア方針を決めていくそうです。宅老所よりあいの主催するセミナーや勉強会もあり、毎日、24時間営業の日々の仕事をこなすことだけでも相当なエネルギーを使うでしょうに、それ以上の向上心を持ち続けているパワーの源はなんだろうと考え入りました。 (次号につづく)

(ほーぷレター2013年4月号より)

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本の紹介と5月の読書会へのお誘い

NHKスペシャル取材班・佐々木とく子『「愛」なき国 介護の人材が逃げていく』 (阪急コミュニケーションズ、2008年)

介護の仕事をしていても、「ピンピンコロリが理想だ」とたやすく言われる方がおられます。それはすなわち、年をとって介護が必要になった人は、可哀そうだと言っていることに他ならず、そして自分は、そのように思って欲しくない、ということなのでしょう。

何度でも言います。介護の仕事に就く私たちの仕事は、「年をとったら、人の手を借りて下さい。手助けをしてもらって下さい。そのために、私たちが居るんですから」と言い続けることです。赤ちゃんや子供が、生きていくために周りの手助けを得ることを、「幼くて、可哀そうだねえ」と言う人がどこに居るでしょうか。だったらなぜ、お年寄りが、周囲の手助けを得ながら生きていくことが、可哀そうになるのか。

本書は、2007年3月11日に放送されたNHKスペシャル「介護の人材が逃げていく」をもとに書かれた本です。もう6年も前に書かれた本ですが、ここから私たちは、どれだけ前に進めたでしょうか。

本書の中に、こんな言葉があります。「自分たちの老後を担う人たちとその仕事を私たち自身が貶(おとし)めている。それは「自分だけは年もとらないし、絶対に障害を持つこともない」と言うのと同じだ」。

前に、進みましょう。私たちの未来のために。私たちは、必ず年をとるし、必ず障害を持つ。高齢者、障害者は、明日の私だ。

5月の読書会
『「愛」なき国 介護の人材が逃げていく』
開催日時/2013年5月11日(土)14:00~15:30
開催場所/泉ヶ丘ホープ(ほーぷ広場)>>地図
参加費用/500円
企画担当/中村

お問合せ/072−291−7487

迷いの介護休暇(第7回) 松本敏子さん

他の友人からのメールには連休に行われた東京での研究会の感想が添付されていた。

震災で大勢の人が死ぬ、大切な身内が病気や障害を持つ…など、それ自体はまったく「シメタ」ではない出来事を目の前にして、「どっちに転んでもシメタ」という言葉はいかなる意味を持つか?

そのキーワードは「偶然」と「あきらめ」と「再出発」。それらの悲しい出来事は、「偶然」我が身に降りかかったものであって、そこには神の意志も無ければ前世の因果も無い。無理に意味を見つけようとしたり、なんとか元に戻そうともがいたりしているうちは苦しみが続く。

しかし、それが自分にはどうしようもない「偶然」の出来事なら、起きてしまったことは「あきらめ」るよりほか仕方ない。「あきらめ」て受け入れて、さて、そこからどうするか?

そういう気持ちになって初めて、これまでとは違う景色が見えてくる。新しく何かが出来そうな気がしてくる。それが「再出発」。苦しむ時期を出来るだけ短く抑え、再び前向きに生きることが大事。「どっちに転んでもシメタ」というのは、不幸を無理に納得しようとするやせ我慢の言葉ではなく、「不幸な偶然はさっさとあきらめ、そこから再出発すれば人生は再び明るく開ける」という原理を示す言葉。

関わりようのないことはあきらめ、関わりようのあることだけを生きる。つまり、そのような再出発の人生そのものが、「シメタ」なのだともいえる。(つづく)

(ほーぷレター2013年4月号より)

~松本 敏子さん ご紹介~
ホープの利用者さまのお嬢さまです。高知在住。お母様はひとり暮らしで、介護サービスを利用中。松本さんは、1年間の介護休暇を終え、現在、仕事に復帰。

Filed under: ほーぷレター,迷いの介護休暇 — 55hope 4:54 PM  Comments (0)

ワーカー日誌(第34回) 廣田美代子

“人生いつだってこれから 朝はかならずやってくる”

テレビ番組の人生の楽園を毎週見ています。60才をすぎれば人生はあと少し。縁あって、ホープの仲間に入って1年たちました。仲間や利用者様に支えられて、今が最高の時といつも思いつつ、これからも新しいことに挑戦しながら、楽しいことを見つけていきます。

(ほーぷレター2013年4月号より)

Filed under: ほーぷレター,ワ-カー日誌 — 55hope 4:51 PM  Comments (0)

泉ヶ丘ホープは、2013年5月23日で設立15周年を迎えます。

泉ヶ丘ホープは、2013年5月23日で設立15周年を迎えます。

先月号で私が泉ヶ丘ホープに入った経緯を少し書きました。15年前、図書館でのワーカーズ募集説明会に参加した日から、ずっと生きづらさを抱えて生きてきたそれまでの自分が変わっていきました。殻を一枚ずつ破っていけたと思います。ワーカーズ・コレクティブという働き方は、過去を問われることはなく、メンバーは、常に運営のこと、仕事のこと、未来のことを話す仲間でした。

泉ヶ丘ホープでは、私は私にできることをしていればよかったし、真剣な討議の場に身を置くことがとても心地よく感じました。尊敬できる仲間の中に身を置き、運営に携わり、ワークで利用者様に接し、多くの研修や勉強会に参加し、イベントを皆で開催していくことで、私は自分の生き方に自信がもてるようになっていきました。

最近、会の中で回し読みしている本『協同で仕事をおこす』の中に、「協同労働は、他の人間の力や社会関係のあり方によって、人間のなかに潜在的にある自ら育つ力を引き出し、伸ばす働き方である」というくだりが出てきます。この15年で私はまさにそれを体感しました。

そういう、私を育ててくれたこの働き方とこの会を私は誇りに思っています。もっと多くの人に知っていただいて、ここを必要とする人たちと共に働き、これからも地域の方々の拠り所となれるサービスと場所を作り続けていきたいと思います。
(代表理事 中島紀子)

(ほーぷレター2013年4月号より)

Filed under: ほーぷレター,代表より — 55hope 4:46 PM  Comments (0)

アロマ教室~バスタイム~

お風呂の入り方は、人其々で違います。季節によっても違いますがシャワーで済ませる人、熱いお湯やぬるま湯が好きな人など・・入り方は様々ですが、入浴時間をリラックスタイムにして一日の疲れを癒して頂くことをお勧めします。
日本人は昔からお湯に浸かるということをしてきました。お湯に浸かることで疲労を回復させ心の垢も落とすと言われています。温かいお湯(42℃)に浸かると交感神経が働き新陳代謝が促進され疲労物質の排出を助け疲労が回復し身体が軽くなる事を実感します。
ぬるま湯(40℃)では副交感神経に働きかけリラックスするので心の疲労回復につながります。

今回は、バスタイムを楽しむための「バスボム」を作成します。

~アロマ教室~
物作り(クラフト)だけでなく、香りが単なる良い香りで終わるのではなく、予防療法にとても良い事を皆さんに知ってもらえたらと思っています。皆さんもアロマのある生活を体験してみてください♪ お待ちしております。

「バスボム作成」
開催日時/2013年3月23日(土)10:00~12:00
開催場所/泉ヶ丘ホープ(ほーぷ広場)>>アクセス
参加費用/1,500円 (材料費込み・ハーブティー・手浴付き)
企画担当/堀田邦子
* 予約が必要です。参加ご希望の方はホープへご連絡下さい。

お問合せ/072−291−7487

Filed under: (貸)アロマ教室,地域交流 — 55hope 7:57 PM  Comments (0)

ゆったり会 報告と3月のお知らせ

1月のゆったり会は新しいメンバーも加えてホープでにぎやかに新年会をしました。
今年は郊外に出掛けることが多く2月は荒山公園に梅見でした。
3月は木津市場に行きます。参加ご希望の方はホープへどうぞご連絡下さい。

~ゆったり会~
ゆったり会会員の集まりで、毎月1回集まり、楽しい企画を開催しています。

☆3月のゆったり会☆
開催日時/2013年3月25日(月)
開催内容/木津市場に行こう
* 集合時間・集合場所は未定です。参加希望の方は事務所笹川までお問い合わせ下さい。

お問合せ/072−291−7487(笹川)

Filed under: (地)ゆったり会,地域交流 — 55hope 7:30 PM  Comments (7)
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