○藤井輝明『あなたは顔で差別をしますか』(講談社2008年)
私たちは、自分ひとりの人生しか、歩むことができません。もちろん、他の人と共に、「生活」を送っていくことはできる。けれど、「人生」という意味では、あくまで自分のものしか、味わうことができないのではないか。
その一方で、本には、人生が詰まっているとも思う。すなわち、本を読むことは、その人の人生を、その人の眼を通して見ることだと思う。(映画好きの方は、同じような思いを、映画に対しても思うんだろうな。)
かつて本を編む側にいた人間として、また今でもかすかに、書かれたものによって世の中とつながっている者として、(結果として)売れない本を書くことが、どれほど「割に合わない」ことかは、よく分かっています。なのになぜ、本を書く人たちは、本を書くのか。
それは、やむにやまれぬ事情があるから――それに尽きると思う。誰かに、何かを伝えたい。その思いを抑えきれないから、本の書き手は、日々の生活の中で多くの犠牲を払いながら、数万の文字を連ねて本を書き、世に出すのです。
本書の副題は、「「容貌障害」と闘った五十年」というもの。藤井先生のお顔を、テレビ等でご覧になった方もおられるでしょう。もの凄い本です。ぜひ読んで!
☆4月の読書会
「あなたは顔で差別をしますか」
開催日時/2013年4月6日(土)10:00頃~11:30
開催場所/泉ヶ丘ホープ(ほーぷ広場)>>地図
参加費用/500円
企画担当/中村
お問合せ/072−291−7487