施設見学報告「通所介護事業凡」(徳谷好美)
堺市美原区の木材団地の近くの住宅街にあります。平屋で入口の門には「凡」と書いた表札があるだけですが、それが細川さんのやりたいこだわりのデイを感じます。どこか、自分の実家に帰って来た様なたたずまいです。玄関に入るまでに何段かの階段がありますが、手すりだけであえてスロープにはしていないそうです。審査の時はスロープの鉄板を設置したそうですが・・・普通のお家を出来るだけ余計な改装せずに自然に利用者がすごせるようになっていました。
その日のスタッフは3人で、細川夫妻、2時くらいまでのスタッフが1人、午前中に看護師1人で、看護師は食事準備もするそうです。その日の利用者は3人で、お一人は静養室で、お二人の男性はリビングでそれぞれの位置に座り、まるで自分のお家でくつろいでおられるような感じでした。リビングが(フロアでなくリビングなんです)どこにでもある家庭のリビングで、そこにはゆったり時間が流れていました。特に何をすると言った決まりはなく、細川夫妻の子供さんも時々はちびっこスタッフでゲームなど一緒にするようです。
リビング以外に私たちが通された和室は形の違う座りやすい椅子が応接セットになっていて、縁側があり、ここも落ち着いた感じです。時々利用者がくつろがれているそうです。隣の和室は静養室になっています。デイサービスと言う決まった言葉を使いたくないようなぬくもりのある場所です。細川さんのお話はざっくりしているように聞こえますが、その言葉と反対にしっかりと利用者と向き合っておられるのが凡の中に感じます。デイで一年たちましたが、細川さんの凡はまた自分が原点に戻る事を教えてくれるデイでした。
(ほーぷレター2013年9月号より)