2013年3月5日
「宅老所よりあい」を見学して(2) 中島紀子
中に入ると、天井の高い真ん中の部屋に10名程のお年寄りがちゃぶ台を囲んで輪になって座っておられました。部屋の周りを縁が囲む回廊式の構造になっていて、縁をはさんで柔らかな光が入る日本式の建物の良さを感じさせます。お年寄りの間には、スタッフの方が2名程おられ、緑茶を入れておられました。
朝10時過ぎという時間帯でしたが、ほとんどの方がこっくりこっくり、うつらうつら、まどろんでおられる状態です。介護度でいうと要介護3~5という重度の方がほとんどということで、比較的お元気な方が多いほーぷのデイサービスとは雰囲気が違うなと思いました。それでもよくある病院や施設の雰囲気とは違うのは、このうつらうつらしながらの居姿がちゃんと存在感を示している感じがするのですね。
スタッフの方が、「代表の下村の趣味で・・・」と言われる年代物の骨董家具が配置された、昔ながらの日本の家に、介護の必要な方が過ごしやすい機能的な配慮がさりげなくされている空間の居心地の良さと、隅々まで行き届いているであろう、スタッフの方のお年寄りに対する質の高いケアがその支えになっているのでしょうか。この場所の主はこのお年寄りの方々であるという静かな主張を、ぽっと入って行ったよそ者の私たちにも感じさせるような、そういう空気がここにはあると思いました。 (次号につづく)
(ほーぷレター2013年3月号より)
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