私の老い支度~谷向香織
私は昨年11月で65歳になり、これを一つの区切りと考えて、来たるべき時のための準備を始めました。きっかけは「来年度から保険料が上がります」、という保険会社からの通知でしたが、それ以外にもいくつか理由があります。
1.光陰矢のごとし、残された時間は余り長くないこと。
2.認知症で入院した兄の家(実家)を片付けに行ったものの、家中が足の踏み場もないような有様で、手をつけられなかったこと。
3.病気を持ったこと。(昨夏に大腸のポリープを切除し、糖尿病・喘息の治療も始まった)
●始めた事とこれからすべき事。
1.化粧、毛染め、アクセサリーはすべて止めました。
2.高額な商品の購入は止め、値の張る「お遊び」も程々にします。
3.ユニオン(地域の労働組合)など不可欠な活動以外からは、手を引きます。
4.昨年末と今年度末で、ごく一部を残して新聞、雑誌などの購読を止めます。
5.本、映画(Blu-Ray録画4000本以上)や、その他諸々のリストを作ること。
6.本の購入は厳選し、「積ん読」の解消を図ること。
7.「エンディングノート」を作成すること。
8.衣類の処分をすること。(私は、昔から処分については非常にドライです。かつて、辞典、事典、図鑑以外の蔵書を全部(1000冊以上)と、カメラ4台と交換レンズ、その他関連する機材のすべてを(贈与という形で)一度に捨てたことがあります。)
「準備が全て」、私はこの言葉を旅行や登山などの場面で使ってきましたが、人生のフィナーレに向けた準備はその集大成でしょうか。完了がいつになるかは分かりません。でも、万一準備が整わない事態になったとしても、その時はそのとき、状況に甘んじる心積もりはできています。
(ほーぷレター2015年3月号より)