「宅老所よりあい」を見学して(6) 中島紀子

「第3宅老所よりあい」は、大きなバス通りからちょっと入った閑静な住宅街の中に残る異空間「よりあいの森」の中にあります。この森は、他者の老いに関わり、自分の時間を使うことで、安心を創ることに共感した有志が集まり結成された『「よりあいの森」を創る会』が音頭をとって資金集めをし、集い、もちより、わかちあいながら、今も創り続けられています。

2012年11月の初めての見学から半年間の間に、この森の中にある「よりあいの森いちにちカフェ」に何度かおじゃまさせていただくことができました。ホープの元スタッフで、私の尊敬する友人の中西さんがきっかけを作り、導いてくれて、ホープのデイのスタッフ、訪問のスタッフとその家族、私の母、義母、叔母、母の友人…そんな人たちがこのよりあいの森を訪れました。なかなか社会とうまく関われずそのきっかけを待っている私の弟が、スイーツ作りが好きで、自作のパウンドケーキをよりあいカフェで出していただくという機会もいただきました。人と人とをつなぐ、不思議な「何か」を持っているところです。

「宅老所よりあい」は、2年後に、この森の中に新しく、25人定員の特別養護老人ホームを作ろうとしています。お金が余っているから、土地が余っているから、人が余っているから作るのではないのです。そこに必要があるから、人生の最後のときを満足して死んでいく人のそばにいたいから、なんとかして、お金をより集め、自分の時間と能力を差し出し、ときには何かを犠牲にして、それでも楽しんで、新しいものを創るのだと思います。(終わり)

(ほーぷレター2013年7月号より)

Filed under: ほーぷレター,施設訪問 — 55hope 11:50 AM  Comments (0)

本の紹介と7月の読書会へのお誘い

7月は、児童文学を取り上げます。先号では、湯本香樹実『夏の庭』(徳間書店、2001年)を紹介しましたが、今号ではもう1冊、海外作家の作品を取り上げます。

「長くつ下のピッピ」「名探偵カッレ君」で有名なリンドグレーンは、60代になってから、『はるかな国の兄弟』(岩波書店、1976年改版)という本を書きました。生前、晩年の誕生日のインタビューで何が欲しいかと問われ、「世界に平和とかっこいい服」と答えたというリンドグレーン(超カッコイイ!)。そしてこの本も、もの凄い本です。

『夏の庭』は、元気溢れる少年たちが、死と出会おうとしたひと夏の物語、『はるかな国の兄弟』は、死後の世界に入った兄弟の物語。あなたの心と経験は、どちらに響くでしょうか。

7月の読書会
「夏の庭」&「はるかな国の兄弟」
開催日時/2013年7月13日(土)14:00~15:30
開催場所/泉ヶ丘ホープ(ほーぷ広場)>>地図
参加費用/500円
企画担当/中村

お問合せ/072−291−7487

迷いの介護休暇(第10回) 松本敏子さん

不登校児のキモチ

3ヶ月以上も学校へ行かないと気分はすっかり不登校児。

もろもろの提出書類もあり、高知へ帰省して職員室へご挨拶をさせていただきたいと事務職へ電話した時から、すでに緊張してドキドキ胸の鼓動が高まるのがその証拠ではないか。

7月終業式前日。おりしも台風の直撃。「こんな天気やし、無理して来んでもえいで」と、当日の朝、管理職から電話をもらいながらも、休校なら子ども達もいないし、職員みんなが職員室にいるからそのほうがいいかと思い直した。周りが忙しく動く中、自分だけすることが見つからない状態はつらいものがある。

電話で言われたとおり、学校に近づくに連れ、風雨は増し、海に臨むトンネルを出たとたん、車は風にあおられ、無理して出てきたことを少しだけ後悔した。平生の勤務日だったら出勤を躊躇する天候だよなと思いかけたが、まあ去年のクラスに吹き荒れた嵐や保護者からのクレームの雷に比べたら、このくらいの雨風など、知れたものかと思い直して、独りで笑えた。

どきどきしながら「お久しぶりでーす」と声をかけてドアを開けたとたん、職員室の空気は自分のものになってくれた。窓の外は大荒れなのに、クーラーのかかった職員室は穏やかで明るく、あれほど緊張していたはずなのに、変わらない先生方の笑顔で、そこはすぐに自分の仕事場にもどった。 (つづく)

(ほーぷレター2013年7月号より)

~松本 敏子さん ご紹介~
ホープの利用者さまのお嬢さまです。高知在住。お母様はひとり暮らしで、介護サービスを利用中。松本さんは、1年間の介護休暇を終え、現在、仕事に復帰。

Filed under: ほーぷレター,迷いの介護休暇 — 55hope 11:33 AM  Comments (0)

ワーカー日誌(第37回) 三村かおり

将来は福祉系ネイリストになりたいと、障害者施設や高齢者施設でネイルケアを中心に活動しています。縁があって泉ヶ丘ホープさんのところで出張ネイルをさせていただくことになり、その中でホームヘルパーの知識も必要と感じ、昨年ホームヘルパー2級の資格を取得しました。中島さんから「せっかくだから」と声をかけていただき、週イチで訪問の仕事もするようになりました。

仕事をはじめてすぐに妊娠していることがわかり来月出産予定です。子育てのほうでも泉ヶ丘ホープさんにお世話になりそうです。

(ほーぷレター2013年7月号より)

Filed under: ほーぷレター,ワ-カー日誌 — 55hope 11:29 AM  Comments (0)

混血のことを、皆さんは何と呼ばれるでしょうか。

混血のことを、皆さんは何と呼ばれるでしょうか。「ハーフ」という呼称のほかに、「ダブル」「ミックス」という呼称があり、その心は、「半分(ハーフ)ではなく、よいところを両方持っているのだから、ダブルでいいじゃないか」「2倍というのはおこがましい、単純に混ざっている(ミックス)というのが適当ではないか」ということのようです。

もうお分かりでしょうか。私たち泉ヶ丘ホープは、会社組織と市民運動の「ミックス」です。会社組織と市民運動の両方の側面を持つために、「半分はんぶん」の中途半端さが、時々出てきます。そんなときに私がいつも思うのは、「この両方を持っているのは、私たちの強みでもあるのだから、両方の側面をうまく使ったらいい」ということです。

『希望を捨てない市民政治』の著者、村上稔さんによるその要点は、①論理的にやる、②マスコミとうまく付き合う、③楽しくやる――ことのようです。希望(ホープ)を捨てないためにも、楽しく、うまくやっていきましょう。ホープのメンバーであろうとなかろうと!(代表理事 中村義哉)

(ほーぷレター2013年7月号より)

Filed under: ほーぷレター,代表より — 55hope 11:26 AM  Comments (0)
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