2013年7月3日
「宅老所よりあい」を見学して(6) 中島紀子
「第3宅老所よりあい」は、大きなバス通りからちょっと入った閑静な住宅街の中に残る異空間「よりあいの森」の中にあります。この森は、他者の老いに関わり、自分の時間を使うことで、安心を創ることに共感した有志が集まり結成された『「よりあいの森」を創る会』が音頭をとって資金集めをし、集い、もちより、わかちあいながら、今も創り続けられています。
2012年11月の初めての見学から半年間の間に、この森の中にある「よりあいの森いちにちカフェ」に何度かおじゃまさせていただくことができました。ホープの元スタッフで、私の尊敬する友人の中西さんがきっかけを作り、導いてくれて、ホープのデイのスタッフ、訪問のスタッフとその家族、私の母、義母、叔母、母の友人…そんな人たちがこのよりあいの森を訪れました。なかなか社会とうまく関われずそのきっかけを待っている私の弟が、スイーツ作りが好きで、自作のパウンドケーキをよりあいカフェで出していただくという機会もいただきました。人と人とをつなぐ、不思議な「何か」を持っているところです。
「宅老所よりあい」は、2年後に、この森の中に新しく、25人定員の特別養護老人ホームを作ろうとしています。お金が余っているから、土地が余っているから、人が余っているから作るのではないのです。そこに必要があるから、人生の最後のときを満足して死んでいく人のそばにいたいから、なんとかして、お金をより集め、自分の時間と能力を差し出し、ときには何かを犠牲にして、それでも楽しんで、新しいものを創るのだと思います。(終わり)
(ほーぷレター2013年7月号より)
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