迷いの介護休暇(第8回) 松本敏子さん
人が悪い循環に陥る原因は「不安感」。モノの買い占め、放射能汚染の風評被害、さらには学校現場のキビシイ指導など、悪循環の原因は「不安感」にある。しかし、それは説得や慰めで消えるものではない。不安感を減らすためには、「本当はどうなのか?」を調べ、知ることが一番大切。我々はそれを「研究」と呼ぶ。本当のことさえ分かれば、不安感は劇的に減る。
放射線の直接的な健康被害よりも、それを不安に思うあまり、心の健康を失うことの被害の方がはるかに大きいのではないか。原発事故の状況のさらなる悪化は、事故当初は心配されたが、初期段階で東電のスタッフはよく対応した。今後、時間はかかっても状況は必ず沈静化する。キビシイ指導で学年や学級の体制を何とか維持しようとする生活指導が、こうして次々と破たんしていく事実は何を意味するか? 既に実験結果は出ている。その子を見捨てず、シンドくても共に居続けることが大事。最後には「人間的な関わり」が勝つ。
人間、落ち込んだら何もできなくなる。「自分を落ち込ませない」「自分を甘やかし、自分の機嫌をとる」というのが行動の基盤。
「あなたが一番大切にしているものは何ですか?」
「自分の気持ちです」
こういう方達と知り合えることができて、そういう研究会にいることができて、「私の人生もなかなか素晴らしいんじゃないか」と思える。文章を読んで、本当に元気が出た。 (つづく)
(ほーぷレター2013年5月号より)
~松本 敏子さん ご紹介~
ホープの利用者さまのお嬢さまです。高知在住。お母様はひとり暮らしで、介護サービスを利用中。松本さんは、1年間の介護休暇を終え、現在、仕事に復帰。