「宅老所よりあい」を見学して(4) 中島紀子

生死に関わる覚悟まで含めた本気の取り組みができるかどうか…私の判断で、言葉で、人を死に至らしめることがある。それでも尚、人と関わっていきたいと思えるのか。本気でやっている人のところには人が集まる。何か助けになりたいと思う。宅老所よりあいも多くのボランティアさん、地域の人が人的、物的、金銭的な面で運営を支えています。第一宅老所の中島さんが第三宅老所への移動の車の中で話されました。「ボランティアさん達にいっぱい助けてもらっていますが、何のお返しもできません。ただ、よりあいに関わっていることで、自分が何か困ったときに、情報が入ってくる…例えば、あそこのお医者さんがいいよとか、あの人に相談したらいいよとか、そんなことくらいですよねえ。」…そう、今すぐお返しはできません。でもここに関わっていたらいつかいいことあるよ。ホープもそういうところになりたいなと思います。

後日ですが、福岡市南区桧原(ひばる)にある第二宅老所よりあいも見学させていただきました。第二宅老所よりあいは、地域の人を巻き込んで、スタッフが細部までを話し合って、一から建てた施設です。出来上がる様子を見ていた近所の人は、「そば屋か?」と思っていたとか。ちょっと山小屋風の、新築とは思えない風格のある建物です。吹き抜けになった高い天井、山を見渡せる眺めのよいデイルーム、真ん中にでんと構えたオープンキッチン、回廊式の廊下の外側にお泊りの小部屋がいくつかあり、下の方に小窓がついていて、中の様子をほんのりと伺える障子で仕切ってあります。この小部屋で必要とされる方には看取りまでを行います。看取りをするときには、スタッフの方々は合宿をされるそうです。(次号につづく)

(ほーぷレター2013年5月号より)

Filed under: ほーぷレター,施設訪問 — 55hope 4:38 PM
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