海外派遣活動報告(8月17日)

オーストラリアからの報告が入りました。

深夜フライトを終えた一行は本日お昼にメルボルンに到着しました。(さすがに長袖です!)

さすがに長時間フライトだったため、飛行機に酔ったメンバーもいたようですが、大したこともなく無事メルボルン博物館を訪問、見学をしました。

ひととおり見学の後、本日のお宿アモラ・リバーウォーク・メルボルンに到着、夕食の後明日からの活動についてのミーティングを行いました。

明日は午前中にクーリー文化(アボリジナル文化)の伝承・啓発活動を国際的に行っている方の講演を聞いた後、1850年代にゴールドラッシュで栄えた街バララットやベンディゴを経由し、次の活動の本拠地であるエチューカに向かいます。
エチューカの街は鉄道網なかった1850年代頃から羊毛の運搬などの水上移動で栄えた街です。その頃に活躍していた外輪蒸気船・パドルスチーマに体験乗船します。

《訪問地豆知識》
メルボルン
メルボルンの街はオーストラリア第二の都市であるとともに「世界で一番暮らしやすい都市」にも選ばれた街。英国からの多数の移民が集まったことによりオーストラリア建国当初の首都でもあった。その名残で現在も英国風の建造物や風習が多数残っている。
競馬のメルボルンカップは街をあげての大イベントであり、他にも全豪オープンテニスやF1オーストラリアグランプリの開催地としても有名。
ビクトリア州のアボリジナルのうち、故郷を離れた多数がメルボルンに居住している。

バララット、ベンディゴ
メルボルンから約100㎞北西の街バララットからベンデイゴまでの約100㎞をゴールドフィールドといい、1850年代に金鉱が発掘され栄えた地域。
バララットは金鉱採掘が続く中で多数の労働移民を迎え、労働者と支配者という階級差が生まれた。その後、土地を奪われた先住民族や中国をはじめとする異種民族の台頭を恐れた支配階層は、人種差別的扱いと重税や過酷な労働条件を押し付けるなどの圧迫政策を行った。
人種差別的扱いはその後の白豪主義の機縁となったといわれる。
また重税や過酷な労働条件に対して労働者たちは、結束蜂起し籠城集団闘争を開始しました(ユーリカ砦の反乱)。このことが現在の労働争議の機縁になったといわれている。
ベンディゴもゴールドラッシュで栄えたものの、金の採掘が終了するとともに急激に人口が減少した。しかしそのことが開発の手を逃れることとなり、現在にもその当時の風情をそのまま残すこととなって、現在は観光都市として存続している。

エチューカ
エチューカの街はマレー河やキャンパスピ川が合流する所にあり、アボリジナルの言葉で「水の出会うところ」という意味がある。
まだ鉄道が敷かれていなかった1850年代に内陸で産出された羊毛を運搬するため外輪蒸気船が活躍していたその母港として栄えた街である。
現在は、当時の輸送船であった外輪蒸気船の観光運用や、ハウスボートの運行などでバケーションに訪れる人も増加してきている。
概ね「乾燥した大地」といわれるオーストラリアにおいて水上輸送の可能な河川のある地域は限られており、この街も入植者たちに開発された歴史を持つが、その土地はこの大地の恵みを受けて暮らしていた先住民族の聖地でもあった。入植者たちに略奪に近い形で接収されたこの土地について、複数の先住民族は結束し永年にわたって政府との交渉を重ね、現在は周辺に存在する森林公園の国立公園化や保護区化をなし、自然環境の復旧と管理に努めている。

豆知識が長くなってしまいましたが、団員たちはこれらの事をベースにしながら、またさらに学んでいくことになりますので、お楽しみにしておいてください。

Filed under: IYS1年間の活動記録,事務局から — ⅠYS事務局 10:35 pm
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1件のコメント »
  1. みなさん、長時間のフライトお疲れさまでした。
    猛暑の日本から冬のメルボルンへ。
    体の芯が冷えていますので、お休みになる前にはあたたかい飲みものをぜひ。カモミールティーなどあればホッとしますね。日中は、足首・手首・首もとを冷やさないような工夫をぜひなさってくださいね。
    ご参加されたおひとりおひとりにとって、ステキな滞在となりますこと心から祈っております。

    コメント by E.T — 2013 年 8 月 18 日 2:15 pm
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